2009 Fiscal Year Annual Research Report
批判的思考が抑制・促進される認知的プロセスの解明と教育プログラムの開発
Project/Area Number |
08J07514
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 優子 Kyoto University, 教育学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 批判的思考 / メタ認知 / 文化差 / 目標志向性 |
Research Abstract |
昨年度に行った批判的思考抑制・促進パターンに関する日本,タイ,New Zealandにおける国際比較研究より,大学生の批判的思考の使用判断には文化差があることが示された。以前から示唆されていた欧米(New Zealand)-アジア(日本,タイ)間での文化差が確認されただけでなく,アジア文化間(日本-タイ)にも批判的思考の使用判断に違いがあり,日本人大学生の使用判断がもっとも抑制されやすいことが明らかになった。このようなアジア文化圏における違いはほとんど報告されておらず,また日本人大学生特有の傾向を理解する上で重要な手掛かりとなりうる。 そこで本年度は日本とタイに焦点を当て,Visiting Research Scholarとしてタイ王国のChulalongkorn Universityに滞在し,タイの高等教育機関で教育経験のある研究者へのインタビューやタイ人大学生への質問紙調査を通してアジア文化圏における文化差がどのようにして生じたのか,タイ人の視点にもとづいて結果を解釈した。 また,昨年度の研究結果を,14th International Conference on Thinking(Malaysia), EARLI Conference(the Netherland), Chulalongkorn Universityで行われたAn International Forum on Critical Thinking, Reasoning and Philosophical Practiceで発表し,海外の研究者と研究結果を共有するとともに,多様な視点から文化差に対する解釈を行った。
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Research Products
(6 results)