2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J07520
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
原田 裕一郎 Yamaguchi University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 受精 / 卵付活 / クエン酸合成酵素 / 種特異性 |
Research Abstract |
1両生類における卵付活分子の種特異性の解明 両生類の卵付活分子の種特異性について解明をおこなった。そこで、アカハライモリ、アフリカツメガエルの2種を用いて、精子抽出液と卵の交雑注入により卵付活について比較検討をおこなった。イモリ精子抽出液のツメガエル卵への注入すると、イモリ精子抽出液ではカエル卵の付活は全く起こらなかった。このことから、ツメガエル卵はイモリ卵付活分子のクエン酸合成酵素による卵付活経路を持たないことが考えられた。一方、ツメガエル精子抽出液をイモリ卵に注入した場合、60%程度の卵が付活した。しかし、クエン酸合成酵素阻害剤、Palmitoyl-CoAによって卵の付活を抑えることはできなかった。さらにカエル精子抽出液のイモリ卵内注入時、注入部位での局所的なCa^<2+>上昇のみで卵全体への伝播は起こらなかった。これはイモリ精子抽出液によるCa^<2+>上昇とは異なっていた。この結果から、イモリとカエルでは卵の付活様式が完全に異なっていることが考えられる。 2イモリ卵付活分子、クエン酸合成酵素の哺乳類卵の付活への機能解析 クエン酸合成酵素の種特異性について、さらに哺乳類マウスを用いて卵付活分子の種特異性の解析をおこなってきた。クエン酸合成酵素、Palmitoyl-CoAによりマウス精子抽出液によるマウス卵付活の阻害すると、この阻害剤によりマウス卵付活率は約20%程度減少した。さらに、ブタクエン酸合成酵素をマウス卵に注入して卵内Ca^<2+>濃度変化を観察した。マウス受精時およびマウス精子抽出液注入時に見られる反復性のCa^<2+>上昇、Caオシレーションは見られなかった。このことから、マウス卵付活にクエン酸合成酵素が働いていることを直接的には示すことができてない。これは、イモリとカエル同様に卵の付活に関わる分子が異なっており、卵付活分子が種特異的であることが考えられる。
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Research Products
(2 results)