2008 Fiscal Year Annual Research Report
パノスコピック形態制御による新型実用高効率光触媒の開発および環境浄化への応用
Project/Area Number |
08J07574
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
張 沛霖 Tohoku University, 大学院・環境科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 光触媒 / 可視光応答性 / チタン酸塩 / 窒素ドープ酸化チタン / 複合化 / 環境浄化 |
Research Abstract |
昨年度では、ユニークな層状構造を有するチタン酸塩を出発原料として用い、ドーピングおよび異種半導体との複合化により優れた可視光応答性光触媒の合成について、検討した。 尿素をドーピング源として用い、層状化合物K_2Ti_4O_9と乳鉢でよく混ぜ、固相法で400度1時間仮焼により、窒素炭素共ドープするK_2Ti_4O_9の合成を試みた。ドープ量はCHN分析法で、窒素は5.90mass%、炭素は9.83mass%と検出した。窒素炭素共ドーピングにより、K_2Ti_4O_9は可視光側における吸収が現れ、そしてNO_x分解反応の可視光活性を示した。ヘキサンメチレンテートラアミン(HMT)をドーピング源として用い、190度1時間の水熱反応することにより、窒素炭素共ドープするK_<0.81>Ti_<1.733>Li_<0.267>O_4を合成した。K_<0.81>Ti_<1.733>Li_<0.267>O_4は板状形態を持ち、水熱処理後に板状粒子が剥離し、比表面積が増加すると共に、NO_x分解活性が向上した。更なる窒素ドープ酸化チタン(TiO_<2-x>N_y)ナノ粒子との複合化を試みた。SEM観察によりTiO_<2-x>N_yナノ粒子は剥離したK_<0.81>Ti_<1.733>Li_<0.267>O_4板状粒子と架橋構造を建築し、サンドイッチ型ナノ複合体の合成は成功した。得られた複合体は高比表面積と細孔ボリュームを示し、目標分子(NO_x)に高いアクセシビリティーを持つことが分かった。更に、窒素ドープ酸化チタン由来する狭いバンドギャップにより、可視光吸収能力を持たせられるため、可視光照射下に於けるNO_x分解活性が著しく向上した。更に、TiO_<2-x>N_yとK_<0.81>Ti_<1.733>Li_<0.267>O_4の複合比の影響についても調べた。その結果、TiO_<2-x>N_yは70から90mass%の範囲内では、得られた複合体の活性は最も高かったと分かった。 以上に様に、ユニークな層状構造を有するチタン酸塩を出発原料として用い、ドーピングおよび異種半導体との複合化により優れた可視光応答性を有する光触媒の合成に成功したと言える。
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Research Products
(10 results)