2008 Fiscal Year Annual Research Report
階層化光パスを用いた高信・大容量フォトニックネットワーク構成の研究
Project/Area Number |
08J07617
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
石井 紀代 Nagoya University, 大学院・工学研究科, 特知研究員(DC1)
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Keywords | 光ネットワーク / 階層型中継ノード / 選択スイッチ / 平面光波回路 |
Research Abstract |
ブロードバンドアクセスの普及に伴う通信量の急増に対応するため、光ファイバ通信の中継処理を高速・低消費電力の光処理(波長ルーティング)で行う光ネットワークの導入が世界的に進展している。しかしながら、将来の広帯域サービスの導入で予想される爆発的な通信量の増加には現状の光ネットワークでは対応が困難であり、新しい技術が必要とされている。そこで、複数の光通信チャネルを束ね超大容量光回線(波長群パス)を実現し、通信容量を拡大する階層型光ネットワークが提案されている。既存研究においては、処理パス数減少による規模削減効果が示唆されるなど、階層型光パスネットワークの基本的な有効性が示されている。そこで申請者は、多階層光ネットワークによる超大容量通信網の実現を目標とし、先端的な光デバイス開発・多階層型ノード開発・多階層型ネットワークの最適設計という異なる3つの課題を上げ、階層型光ネットワーク技術の確立に取り組んでいる。本年度は、波長群パスを扱うための高信頼・高集積光デバイス開発に注力し、企業との共同研究の場において、波長群パスを中継ノードに効率的に導入するために必須となる新たなデバイスである「波長群選択スイッチ」の開発を行った。本開発デバイスは、当初実験的検証を予定していた、申請者が以前に提案し特許申請を行った中継ノードシステムよりも、多様なネットワーク形状で適用可能な汎用デバイスであり、階層型中継ノードを構成するための基本となるデバイスである。提案デバイスは、平面光波回路技術によりモノリシックに実現され、機械的稼働部及やファイバ接続がないため、高信頼なデバイスとなっている。さらには、63mmx34mmという非常にコンパクトなチップで実現され、ネットワークをコスト効率良く構成するために最適の形状となっている。また、このデバイスを使った波長群クロスコネクトノード開発についても既に着手している。
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Research Products
(2 results)