2010 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナ生態型間差を活用したアルミニウム耐性機構の分子レベルでの解明
Project/Area Number |
08J07653
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
小林 佑理子 独立行政法人理化学研究所, 実験植物開発室, 特別研究員(PD)
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Keywords | シロイヌナズナ / 生態型 / アルミニウム / アソシエーション解析 / DNA多型 |
Research Abstract |
シロイヌナズナ生態型間差の利用とゲノム科学的アプローチによる耐性バリエーション生成要因の同定は、基本分子機構の解明に加えて実用植物での耐性遺伝子の分子マーカーへの応用面でも重要性が高い。 1)AtALMT1発現調節シス配列およびプロモーター活性強弱配列の解析 段階的に削除したAtALMT1プロモーター配列とリポーター遺伝子GUSを融合導入した組換え体を作成し、プロモーター活性領域の推定を行った。加えて、マイクロアレイ解析からAl応答遺伝子やSTOP1転写因子調節遺伝子に特異的に高確率で存在する共通プロモーター推定領域から、AtALMT1発現調節シス配列を同定した。また、AtALMT1プロモーター配列領域のシロイヌナズナ生態型における多型解析情報とプロモーター先の解析から、プロモーター活性の強弱配列領域を推定した。 2)AtALMT1転写調節因子STOP1の多型解析 230種の生態型のSTOP1のシーケンス解析を行い、DNA多型と耐性レベルとの関連性を調べた。遺伝子内連鎖不平衡解析を行ったところ、遺伝子全体に渡る連鎖不平衡が観察され、Al耐性に関連する2つのハプロタイプが確認された。それらの耐性多型を組み換えた形質転換体はA1耐性を示した。しかし耐性差からSTOP1多型のシロイヌナズナA1耐性バリエーションへの貢献度は小さいことがわかった。 3)ゲノムワイドアソシエーション解析 100~200系統の表現型データセットを用いて酸性土壌耐性に関するゲノムワイド関連解析を行った。その結果、いくつかの耐性関連SNPsが推定された。それらのSNPsは、新規遺伝子座やこれまでのQTLやエピスタシス領域、A1耐性遺伝子近傍、STOP1下流因子、マイクロアレイ解析から推定されたAl耐性候補遺伝子近傍に存在した。
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Research Products
(2 results)