2008 Fiscal Year Annual Research Report
「琉球」の台湾人-台湾系住民の生活史.から見る沖縄社会の重層的構造分析-
Project/Area Number |
08J07671
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
八尾 祥平 Tokyo Metropolitan University, 人文科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 地域社会 / 生活史 / 国際関係 / 華僑・華人 |
Research Abstract |
本年度は、主に台湾系住民が沖縄で生活するようになった社会背景およびその生活実態を調査するために約1年間のフィールドワークを行った。以下にその成果を記す。 (1)琉球華僑総会(以下、総会と記す)の活動調査について 報告者は総会の一会員として総会の活動を記録した。昨年度は定例的な行事以外に、李登輝元総統の来沖・役員選挙など多くの出来事があり、会の実態をより具体的に知ることができた。 また、総会には龍獅團という龍舞・獅子舞を行うグループが結成されており、その構成員は台湾系だけでなく、日本人・中国人・アメリカ人・韓国人も参加しておりこれは沖縄の地域社会の特徴を反映している。この事例から地域社会における多文化共生というテーマで論文を執筆する予定である。 (2)生活史調査について 総会の会員を中心に約25名の台湾系住民からインタビューをとった。対象者は1世・2世である。調査の結果、1世の多くが農業技術者として沖縄へやってきたことが判明した。インタビューの内容から台湾からの移住者を類型化し、その成果を論文としてまとめたい。 (3)文書資料蒐集について 文書資料は主に総会事務所に未整理のまま残されている資料を中心に蒐集を行った。その結果、中華民国政府の対沖縄外交戦略さらには沖縄に対する歴史認識について、日本では未発表の資料を発見することができた。また、沖縄県立公文書館にアメリカ側の公文書も所蔵されていることもわかり、公開審査中の資料も多いため、これらが公開され次第、資料蒐集を行いたい。
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Research Products
(1 results)