2010 Fiscal Year Annual Research Report
ライデマイスタートーション、モース理論による非可換不変量と3次元の幾何構造の研究
Project/Area Number |
08J07685
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北山 貴裕 東京大学, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 位相不変量 / 3次元多様体 / 位相幾何学 / 非可換環 / 表現 |
Research Abstract |
本年度は特に非可換な変換群を持つ被覆空間から3次元多様体の位相構造を捉えることを目的として、位相不変量であるReidemeister torsionが非可換な係数を持つ場合の同一曲面の間のhomology同境であるhomology cylinderへの応用、基本群の線形表現を与えられたときに定まるねじれAlexander多項式の次数に関する制限についての研究を行った結果,以下のように,homology cylinderの新しい研究手法が確立され、Alexander不変量の一つの基本性質が明らかになった。 1.非可換係数のReidemeister torsionによるhomology cylinderの成す代数構造の研究 まず、曲面からの包含写像が基本群の(m+1)階の可解商上に同型写像を導くようなhomology cylinderとして、コンパクト有向曲面の間のm次homology cylinderを導入し、正数mと第1Betti数が正である曲面に対して、それらの成すモノイドとそのhomology同境群が通常のhomology cylinderに対するものとは異なる曲面の写像類群の拡大であることを示した。更に、全てのmと第1Betti数が正である境界付き曲面に対して、曲面群の同様の可解商に自明に作用する既約なm次homology cylinderたちの成すモノイドが無限ランクのアーベル群を商として持つことを示した。 2.ねじれAlexander多項式の次数とThurston normの関係 線形表現に対する精密化されたReidemeister torsionの双対定理を示した。帰結として、境界が空かトーラスからなる向き付け可能なコンパクト既約3次元多様体に対して、双対と共役である線形表現と全ての境界成分への制限が非自明となるような第1cohomology群の原始的な元に付随するねじれAlexander多項式の次数が、線形表現の次元と第1cohomology類のThurston normの積と偶奇性が等しいことが得られた。
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Research Products
(5 results)