2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞極性因子Par-1によるSlingshotの活性制御と細胞極性化機構の解明
Project/Area Number |
08J07751
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三嶋 利明 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 細胞極性 / Par-1 / Slingshot |
Research Abstract |
コフィリン脱リン酸化酵素であるSlingshot1(SSH1)は細胞外刺激に応答して形成されるラメリポディアにおいてF-actinと相互作用することで劇的に活性化する。また14-3-3タンパク質は、SSH1の937番目と978番目のセリン残基(Ser-978)のリン酸化に依存して結合し、F-actinによるSSH1の活性化を妨げることがこれまでに明らかにされている。本研究で私はSer-978に対するリン酸化抗体を用いてSSH1のキナーゼを探索し、その候補としてPar-1を同定した。さらに私はPar-1がSSH1のSer-978をリン酸化し14-3-3との結合を惹起することで、F-actinによるSSH1の活性化を妨げることを明らかにした。Par-1とその上流キナーゼであるLKB1の発現抑制は内在性のSSHIと14-3-3の結合を有意に抑制したことから、LKB1およびPar-1がSSH1と14-3-3の結合を正に制御する生理的なキナーゼであることが強く示唆された。次にJurkat細胞中に発現しているLKB1またはPar-1をノックダウンし、SDF-1α刺激依存的に形成されるラメリポディアへの影響を検証した。各々のタンパク質の発現抑制より、SDF-1α刺激に応答した一方向へのラメリポディア形成が著しく抑えられた。またSSH1のSer-937及びSer978をAlaに置換した2SA変異体の過剰発現によって、SDF-1α刺激に応答した一方向へのラメリポディア形成が同様に抑えられる結果となり、また野生型SSH1で見られるラメリポディアへの局在が2SA変異体では見られなかった。以上の結果から、私は本研究でLKB1/Par-1経路によるSer-978のリン酸化と14-3-3の結合が、SSH1のラメリポディアへの局在移行さらにJurkat細胞の極性化に重要であることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)