2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞極性因子Par-1によるSlingshotの活性制御と細胞極性化機構の解明
Project/Area Number |
08J07751
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
三嶋 利明 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 細胞極性 / Par-1 / Slingshot |
Research Abstract |
Slingshot1(SSH1)はアクチン脱重合・切断因子であるコフィリンを脱リン酸化し再活性化する。ニューレグリン刺激依存的に978番目のセリン(Ser-978)のリン酸化レベルが低下し、その結果SSH1は14-3-3と解離し細胞膜直下のアクチン繊維と結合することで活性化すると考えられている。私はSSH1のSer-978のキナーゼとして細胞極性因子Par-1を同定し、引き続きPar-1が細胞内においてSSH1に対する生理的なキナーゼとして機能しているか解析を行った。まず培養細胞内で発現しているPar-1をRNAi法によりノックダウンし、SSH1と14-3-3との結合に対する影響を解析した。その結果、Par-1をノックダウンするとコントロールと比較してSSH1に対する14-3-3の結合量が減少することがわかった。この結果はPar-1がSSH1と14-3-3の結合を制御する生理的なキナーゼであることを示唆している。 また、Par-1によるSSH1の活性制御機構が上皮細胞の極性形成においてどのような役割を果たしているか解析を行っている。上皮細胞では培養液中のカルシウム濃度を変えることで極性形成を人為的に操作できるため、この現象を利用して極性形成の評価システムを構築した。今後はSSH1、LIMK2、Par-1、Par-3を過剰発現、またはRNAiによりそれぞれの発現を抑制した後に、F-アクチンやE-カドヘリン、頂端部マーカーgp135の局在を観察し、細胞極性や細胞間接着に与える影響を調べる予定である。
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