2008 Fiscal Year Annual Research Report
黄色植物における青色光受容体オーレオクロムの機能解析
Project/Area Number |
08J07755
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石川 美恵 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | aureochrome / blue light receptor / Dictyopteris / Fucus / morphogenesis / polarization / Vaucheria |
Research Abstract |
フシナシミドロから単離したオーレオクロム(AUREO)は、in vitroでの特性および、形態形成反応に関与していること、他の黄色植物であるヒバマタ(Fucus)と2種のケイ藻にもオルソログがあること等をすでに明らかにしてきた。ヒバマタにおいて、オーレオクロムは一つだけ全長が決定しており、後にFdAUREO2と命名した(Takahashi et al.2007)。今年度、すでに単離されているLOV断片をもとに3'RACE,5'RACE法で全長配列の決定を試みた。ヒバマタのAUREOのうち、新たにFdAUREO1と名付けたオルソログは、5'RACEを行いbZIPドメインの存在を確認したが、3'側の配列は未決定である。それ以外の数種のLOV断片に関しても、3'RACE,5'RACEを用いての全長配列は未決定である。ヒバマタは陸上植物と異なり、多量のフェノール物質を含んでいるため、抽出したRNA試料からこれらの夾雑物質を除去しなければ、分子生物学実験に使えるRNA試料とならない。このことは、他の黄色植物での分子生物学的解析を行う上での重要な知見となる。また、褐藻ヤハズグサ(Dictyopteris)を用いて、その青色光反応とAUREO機能の解析を開始した。ヤハズグサは、サイズが小さく短期間で培養が行える。また粘液質が他の褐藻類に比べ少ないため、分子生物学的解析と細胞学的・生理学的解析を容易に行える。培養実験から、ヤハズグサは異なる2つの種類の形態形成を起こすことが明らかとなった。一つは、新たな葉状体の形成であり、もう一つは、葉状体部分からの仮根の形成である。ヒバマタとヤハズグサでのオーレオクロムの機能解析は、今後、他の黄色植物の形態形成反応を解明するための大きな手がかりとなる。
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Research Products
(4 results)