2009 Fiscal Year Annual Research Report
黄色植物における青色光受容体オーレオクロムの機能解析
Project/Area Number |
08J07755
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石川 美恵 Tohoku University, 大学院・生命科学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | Aureochrome / blue-light / Dictyopteris / Fucus / LOV domain / morphogenesis |
Research Abstract |
当初計画した褐藻ヒバマタ(Fucus distichus ssp.evanescens)のオーレオクロム1(FdAUREO1)の全長配列決定は、未知の原因のため何度繰り返しても成功しなかった。そこで、すでに単離しているヒバマタオーレオクロム2(FdAUREO2)、黄金色藻オクロモナス(Ochromonas danica)のオーレオクロム1と2、ラフィド藻シャットネラ(Chattonella antiqua)等のデータの解析を行った。これら黄色植物のオーレオクロムおよび,緑色植物のフォトトロピンや菌類のLOV光受容体等のLOVドメインを基に作成した系統樹はオーレオクロム、陸上植物のフォトトロピン、菌類の光受容体のLOVドメインが独自に進化してきたことを明らかにした。また、オーレオクロムのLOVドメインの配列比較から、ほぼすべてのオーレオクロムが光受容体として機能する可能性を示唆した。これらの結果はPLANTAに掲載され,光生物学者に高く評価された。 また、褐藻ヤハズグザ(Dictyopteris latiuscula)の光応答反応の解析をさらに詳しく行い、ヤハズグザの示す2種類の形態形成反応、葉状体の成長とhairの形成、への光波長の関与を解析した。その結果、ヤハズグザの葉状体成長には主に青色光、hairの形成には赤色光が関与していることが明らかになった。緑色光でも葉状体の成長は観察できたが、これは褐藻が持つ光合成の補助色素であるフコキサンチンの影響が考えられる。また、阻害剤処理実験から、少なくともhairの形成にはアクチンとミオシンが関与していることが明らかとなった。
|
Research Products
(2 results)