2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J07771
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桧原 健一郎 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | イネ / 形態形成 / 軸形成 / 向背軸 / カルパイン様システインプロテアーゼ / レセプター型キナーゼ |
Research Abstract |
SAMから葉の原基が形成され、正常に発生していく過程には、葉原基内で確立される3つの軸(向背軸、中央側方軸、先端基部軸)が重要な役割を果たす。本研究はイネを材料に、葉の軸形成機構に関与する分子の単離ならびにそれらの遺伝学的関係を明確にし、葉の軸構築機構の分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。昨年度、イネの葉の向背軸に異常を示す変異体から同定したADL1遺伝子(カルパイン様システインプロテアーゼをコードする)とADL2遺伝子(レセプター型キナーゼをコードする)の機能解析を行った。今年度はそれらの結果をまとめて、英国論文に投稿し、受理された。また、ADL1とADL2のイネにおける機能を明らかにする過程で、他の植物における相互関係についても明らかにする必要性を感じたため、モデル植物で向背軸形成の研究が精力的に行われているシロイヌナズナと、同じイネ科植物であるトウモロコシを用いて解析を行った。これら実験・解析は、カーネギー研究所(USA)においてKathy Barton博士、ならびにMatt Evans博士の指導などを受けながら行っている。現在までにADL1の相同遺伝子はトウモロコシDEK1、シロイヌナズナAtDEK1がすでに単離されているがADL2の相同遺伝子の単離同定は行われていなかった。そのため、各植物種におけるADL2相同遺伝子の同定ならびにその変異体の単離を試みている。トウモロコシではトランスポゾン挿入による遺伝子破壊株のスクリーニングに着手し、シロイヌナズナにおいてもT-DNA挿入やRNAi法を用いた変異体の作出を行った。来年度はシロイヌナズナ、トウモロコシにおけるADL1,2相同遺伝子の変異体の解析やタンパクの機能解析を行い、向背軸形成機構に対するADLの機能の植物種間における相違点や共通点を明らかにしていく予定である。
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Research Products
(1 results)