2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J07771
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桧原 健一郎 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | イネ / 形態形成 / 軸形成 / 向背軸 / カルパイン様システインプロアーゼ / レセプター型キナーゼ |
Research Abstract |
SAMから葉の原基が形成され、正常に発生していく過程には、葉原基内で確立される3つの軸(向背軸、中央側方軸、先端基部軸)が重要な役割を果たす。本研究はイネを材料に、葉の軸形成機構に関与する分子の単離ならびにそれらの遺伝学的関係を明確にし、葉の軸構築機構の分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。平成22年度はカーネギー研究所(USA)においてKathy Barton博士、ならびにMatt Evans博士とともにシロイヌナズナやトウモロコシを用いて研究を行った。具体的には、平成20年度より開始したイネの葉の向背軸に異常を示す変異体から同定したADL1遺伝子(カルパイン様システインプロテアーゼをコードする)とADL2遺伝子(レセプター型キナーゼをコードする)の機能解析および植物種間における機能保存性などについて検証を行った。ADL1オーソログ遺伝子についてはAtDEK1(シロイヌナズナ)ならびにDEK1(トウモロコシ)の機能欠損変異体を単離し、軸構築という観点からそれら変異体の表現型の解析を行い、イネと同様に他の植物種においてもカルパイン様システインプロテアーゼが軸構築において重要な役割をもつことが示唆される結果が得られた。しかし、ADL2のオーソログに関してはシロイヌナズナにおいてT-DNA挿入系統の単離およびトウモロコシのトランスポゾン挿入による遺伝子破壊株のスクリーニングを昨年度に続き継続したが変異体の単離には至らなかった。今後はRNAi法などを用いてシロイヌナズナ、トウモロコシにおけるADL2相同遺伝子の機能解析を行い、向背軸形成機構に対するADLの機能の植物種間における相違点や共通点を明らかにしていきたいと考えている。
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