2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J07771
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
桧原 健一郎 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | イネ / 形態形成 / 軸形成 / 向背軸 / カルパイン様システインプロテアーゼ / レセプター型キナーゼ |
Research Abstract |
SAMから葉の原基が形成され、正常に発生していく過程には、葉原基内で確立される3つの軸(向背軸、中央側方軸、先端基部軸)が重要な役割を果たす。本研究はイネを材料に、葉の軸形成機構に関与する分子の単離ならびにそれらの遺伝学的関係を明確にし、イネにおける葉の軸構築機構の分子メカニズムを明らかにすることを目的とする。今年度は、研究に用いているadl1,adl2,abl変異体との交配を行い、F1世代を作製した。来年度回収予定であるF2世代の解析から各遺伝子の遺伝学的関係を明らかにする予定である。abl変異体の原因遺伝子単離に向けた交配、そして形態学的な観察も進めた。ADL1、ADL2タンパクの機能解析を目的にまず、各遺伝子の過剰発現体の作出ならび細胞内局在、酵素活性の測定などを行った。ADL1(カルパイン様システインプロテアーゼ)の過剰発現体を全く得られなかった。これはカルスからシュートの再分化過程においてADL1タンパク量あるいはその酵素活性値が重要な役割を持つことが示唆された。現在ADL1タンパクの酵素活性の測定、細胞内局在を行っているところである。ADL2(レセプター型キナーゼ)についてはin vitroにおいてのその活性を持つこと示した。また、細胞内では細胞膜に局在することも示した。過剰発現体は現在T2世代を獲得し、その表現型などを解析しているところである。また、ADL1とADL2がyeast two hybrid法を用いて直接的に相互作用することを見いだし、葉の軸形成機構に関わる新たな複合体の知見を得た。さらにこの複合体から派生するシグナル伝達を明らかにするため、本年度新たな変異体の単離を試みた。その結果、ADL1-ADL2経路で働くことが推測される変異体を複数ライン同定した。来年度、これらの変異体の原因遺伝子の単離も視野に入れて解析を行っていく予定である。
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Research Products
(4 results)