2008 Fiscal Year Annual Research Report
証明論的意味論に基づく自然言語における主張と前提の統合的分析
Project/Area Number |
08J07798
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
峯島 宏次 Keio University, 文学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 自然言語 / 形式意味論 / 証明論 / 語用論 / 関連性理論 / 図形推論 |
Research Abstract |
今年度は証明論の観点に基づく自然言語の分析を中心に研究を行い、その成果を論文および口頭発表の形で公表した。(1)まず自然言語の形式意味論的研究に関して、論文「自然言語の論理と日本語の意味論」を発表した。この論文では、発話解釈における推論の役割に焦点を当て、形式意味論・語用論の研究の現状を紹介するとともに、自然言語研究における証明論的分析の目的と意義を説明した。またこの研究と平行して、自然言語における前提現象を扱う動的意味論および動的論理のアプローチについて、標準的な論理体系との比較を行い、その証明論的性質を明らかにすることを試みた。この成果は近く口頭発表および論文の形で公表する予定である。(2)上記の研究と関連して、三段論法を構成する自然言語断片の論理的性質を調べる意味論的・証明論的研究を行った。またその応用として、三段論法を表現するのに十分な図形推論の研究を行い、その成果を論文および口頭発表の形で公表した("Diagrammatic Reasoning System with Euler Circles:Theory and Experiment Design")。特にオイラー図表現システムEUL、及びそれに基づく推論体系GDSを導入し、タルスキ的意味論に対する完全性を示した。(3)自然言語の語用論的研究として、自由拡充プロセスを認める関連性理論のような文脈主義的立場に対して提起されているいわゆる過剰生成の問題について、この問題とは独立に提示された報告者による自由拡充に対する意味論的制約を用いて解決することを試みた(口頭発表"Free Enrichment and the Over-generation Problem",国際会議の論文集に論文が受理され、2009年以降に出版予定)。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
峯島宏次
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Journal Title
「自然言語の論理と日本語の意味論」『岩波講座哲学 第3巻 言語/思考の哲学』所収(岩波書店)
Pages: 139-170
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