2008 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトビスチンとがん細胞の増殖および細胞周期制御との関連性の解明
Project/Area Number |
08J07809
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
三好 雅也 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ビスチン / リボソーム生合成 / ヒトがん細胞 / Myc |
Research Abstract |
1.ビスチンの過剰発現が細胞に与える影響の解析:ビスチンはがん細胞において高発現していることが示されており、ビスチンが細胞のがん化を引き起こす原因になっているかどうか解析する目的で、マウス線維芽細胞NIH-3T3にビスチンを定常的に過剰発現させた株の取得を行なった。ビスチンを過剰発現することによってコロニー形成、接触障害および足場依存性の喪失など、形質転換細胞の特徴が現れるかどうか現在解析中である。 2.ビスチンのMycによる発現制御機構の解析:ビスチンは原がん遺伝子である転写因子Mycの標的のひとつであることが示唆されているため、ヒトMyc遺伝子をクローニングし正常細胞に近いヒト胎児肺線維芽細胞由来TIG-1細胞に過剰発現させ解析を行なった。その際ビスチンのmRNA転写量およびタンパク質発現量が変化しているかどうか解析したが、目立った変化は見られなかった。本来Mycの転写活性化能は約2倍程度と低いことが報告されているため、今後Mycの活性型変異体を用いるなどの工夫が必要であると考えられた。 3.ビスチンと相互作用するタンパク質の探索:GST融合ビスチンの発現コンストラクトを作製し、293T細胞に導入した後GSTプルダウン法および質量分析によってビスチンと相互作用するタンパク質を同定した。ビスチンは大サブユニットではなく小サブユニットに含まれるリボソームタンパク質と結合していることが示され、申請者のこれまでの研究結果と一致した。今後はビスチンの発現および局在を制御している因子の同定、またはリボソーム生合成以外の未知な機能を推定する手がかりとして、条件を変えて探索を継続する。
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Research Products
(3 results)