2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J07955
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石井 聖二 慶應義塾大学, 医学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 神経幹細胞 / ES細胞 / アルツハイマー病 / ホメオボックス遺伝子 / コリン作動性ニューロン / 神経誘導 / 神経分化 / 転写因子 |
Research Abstract |
研究代表者はこれまでにマウスES細胞を用い、胎生前脳の中でも淡蒼原球基(MGE)の領域特異性を獲得した神経幹細胞を多く含む一次ニューロスフェアを誘導できる培養系を開発してきた。さらに分化時に神経栄養因子群を添加することにより、効率的に前脳型コリン作動性ニューロン(BFCN)を誘導する培養系を作製することに成功し、発生過程におけるBFCNの外因的なシグナルの一端を明らかにすることができた。次に内因的なBFCNの分化制御機構を明らかにするために、発生初期のMGEで特異的に発現する転写因子であるLhx8に着目した。Lhx8ノックアウトマウスでBFCNの細胞数が半減することが報告されていることから、一次ニューロスフェア形成時にレンチウィルスによりshRNAを導入し、Lhx8のノックダウンを行ったところ、BFCNのマーカー一であるChATの発現が減少することを見出した。従って、BFCNへの運命決定には、Lhx8は促進的に働いていることが明らかになった。そこでBFCNへの分化の運命決定におけるLhx8の下流の候補遺伝子を同定するために、DNAマイクロアレイを用いてLhx8をノックダウンすることで発現量に2倍以上差のある遺伝子を819個同定し、そのうち転写因子でありかつ発生初期の神経幹細胞で高発現している遺伝子を31個同定した。その中でもBFCNを産生する発生初期の淡蒼原球基で高発現している遺伝子が15個同定できた。今後は絞り込むことができた15個の候補遺伝子の中から、BFCNの発生に重要なLhx8が結合する下流標的遺伝子の同定とその詳細な機能解析が期待される。
|
Research Products
(2 results)