2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J07955
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石井 聖二 Keio University, 医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 神経幹細胞 / ES細胞 / アルツハイマー病 / ホメオボックス遺伝子 / コリン作動性ニューロン / 神経誘導 / 神経分化 / 転写因子 |
Research Abstract |
本研究計画は、アルツハイマー病の病態解析および新規治療法や薬剤開発につながる研究を展開していくために、コリン作動性ニューロンの発生に重要であると考えられるNkx2.1、Lhx6、Lhx8、Olig2の4つの転写因子、中でも必須であると考えられるLhx8の下流標的遺伝子を明らかにし、前脳型コリン作動性ニューロンの分化制御機構を明らかにすることを目的とした。そこでまず、当研究室で確立された培養系に改変を加え、前脳の領域特異性を獲得した神経幹細胞および神経前駆細胞を多く含むneurosphere培養系を開発することに成功し、Lhx8およびOlig2をノックダウンすることにより前脳型コリン作動性ニューロンの分化が抑えられることを見出した。またLhx8を強制発現できるTet-off ES細胞を用いて、Lhx8を強制発現した時の他の遺伝子発現の変化を調べたところ、Olig2の発現が減少し、Lhx6の発現が上昇することを見出した。これによりLhx8、Lhx6、Olig2間で相互作用があることが示唆された。今後はマウスES細胞を用いたin vitroでの解析およびLhx8ノックアウトマウスを用いたin vivoでの解析を並行して行い、さらにLhx8を強制発現できるTet-off ES細胞を用いて、ChIP-sequenceを行い、Lhx8の下流標的遺伝子およびその結合部位を同定し、同定した標的遺伝子の機能解析を行う予定である。またジョンズ・ホプキンス大学との共同研究で、健常人2人および統合失調症患者5人の繊維芽細胞からiPS細胞の樹立およびその神経誘導に成功した。今後は統合失調症のバイオマーカーの同定を行う予定である。
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Research Products
(2 results)