2008 Fiscal Year Annual Research Report
リアルタイムイメージングを利用した単純ヘルペスウイルス成熟過程の可視化
Project/Area Number |
08J07993
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
杉本 研 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
|
Keywords | リアルタイムイメージング / 蛍光タンパク質 |
Research Abstract |
本年度の研究の目的は、HSVの3つのコンポーネント、すなわちカプシドダシパク質VP26,テグメントタンパク質VP22,エンベロープタンパク質gBに異なる蛍光タンパク質を融合させた組み換えウイルスYK608を用いたリアルタイムイメージング系を応用し、HSV粒子成熟過程全体像を可視化することである。研究結果は以下のとおり。 (i)YK608を利用することにより、HSVの3つのコンポーネントが集積するassembly sitesがTGNと共局在することが明らかとなり、TGNがHSVの粒子成熟の場であることが強く示唆された。本研究は、Journal of VirologyのSPOTLIGHTに紹介された(J.Virol.82:5117,2008)。 (ii)assembly sites形成過程解析のため、感染細胞を共焦点顕微鏡で経時的に撮影した結果、gBとVP22がまず同時に集積し、遅れてVP26が集積することが明らかになった。また、assembly sitesを電子顕微鏡撮影したところ、感染早期には小胞や膜構造が集積し、後期には小胞・膜構造に加えて、膜を獲得しているカプシド、成熟粒子が集積することが明らかになった。この結果より、テグメントとエンベロープを含んだ小胞が輸送された後にカプシドが輸送されてHSVの成熟粒子を形成する、ということが示唆された。 (iii)カプシドタンパク質VP26,テグメントタンパク質UL37産物,エンベロープタンパク質gBにそれぞれVenus, mCherry, ECFPを融合させた組み換えウイルスと、mRFP1,Venus,ECFPを融合させた組み換えウイルスを作製した。UL37産物はassembly sites形成に際し、VP22と同様の動態を示し、複数のテグメントタンパク質がassembly sitesに集積することが示唆きれた。
|
Research Products
(4 results)