2008 Fiscal Year Annual Research Report
体制転換期インドネシアの地方都市から見る華人性の諸相
Project/Area Number |
08J08008
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
津田 浩司 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 文化人類学 / インドネシア / 華人 / 民族誌 / 東南アジア / 宗教 / 文化 |
Research Abstract |
本研究は、ポスト・スハルト期に入って「華人文化」開放の動きが進むインドネシアにおいて、とりわけ地方都市に暮らす華人たちがいかに「華人らしさ」や「華人性」を捉え主張しようとしているかを明らかにすることを目指している。 「研究目的」としては、(1)地方都市において華人関連組織が具体的にどのような動きをし始めているか、(2)国家的・社会的文脈の中で華人の宗教意識はどのように変化しているか、(3)近年の中国語(北京官話)学習ブームの実態はどのようなものであるか、という3点を掲げた。 これらの課題に沿って、平成20年度は2度の実地調査を実施した。第1次は2008年10月13日〜11月10日の日程で、中部ジャワ州ルンバン県を中心に主に(1)の課題にまつわる聞き取り調査を行なった。第2次は(2)の課題に取り組むべく2009年1月25日〜2月15日の日程で、ジャワ島中・東部の寺廟(中国寺院)を網羅的に巡り、資料収集ならびに聞き取り調査を行ない、その予備的成果はすでに草稿にまとめつつある。 また(3)の課題に関しては、2008年6月9日〜11日にインドネシア大学で開催された国際ワークショップに参加し、インドネシア語で口頭発表を行なうと共に、同内容を英語論文にまとめ寄稿している。さらに、そこでの議論を踏まえてまとめ直しか日本語論文も近く『多言語社会インドネシア-国語、地方語、外国語の諸相』(めこん、2009)に収録のうえ出版予定であり、これらをもって当初掲げた「研究目的」のうち(3)の課題は達成されたものとする。
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Research Products
(8 results)