2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J08015
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
渡邉 慶 Kyoto University, こころの未来研究センター, 特別研究員(PD)
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Keywords | 前頭連合野 / 神経生理学 / 細胞外単一ニューロン活動記録 |
Research Abstract |
前頭連合野は「意識・思考の座」と考えられている。この領域の神経活動が我々の意識や心を実際に反映しているのかどうか、反映しているのであればどのような神経メカニズムが寄与しているのか、そのメカニズムを検討した。本年度は(1)実験動物(サル)の行動課題トレーニングを完了し、(2)サル前頭連合野から、視野内に提示された視覚刺激に応答する単一ニューロン活動を記録・解析して、視覚刺激に対する前頭連合野ニューロンの応答特性が課題中のサルの認知状態を反映して変化していることを示すデータを得た。具体的に、(1)計画初年度の探索的検討の結果、動物実験に用いる行動課題のトレーニングDouble stimulus課題と呼ばれる刺激提示方法を用いた。Double stimulus課題とは、被験者に視野内の異なる点に焦点的注意を向けさせる傍らで、課題とは直接関係の無い視覚刺激(second stimulus)を提示し、この刺激に対する脳活動を測定することで、異なる認知状態における感覚刺激の受容のされ方を比較する手法である。1頭のサルの前頭連合野からニューロン活動を記録/解析した結果、サルが視野内のどこに焦点的注意を向けているかによって、受容野(一つの視覚応答性ニューロンが視覚刺激の受容を担当する空間的範囲)が著しく異なるまるニューロンが発見された。このような、サルの認知状態によって受容野の位置が顕著に変化する○ニューロン活動は、これまでに仮説として提唱されていたが(Connor 2006)、実際に前頭連合野において記録されたことが報告されていなかった。本結果は、2010年度日本神経科学会大会、北米神経科学会大会において発表予定である(日本神経科学会大会:投稿済み)。
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Research Products
(2 results)