2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J08034
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 啓 The University of Tokyo, 大学院・法学政治学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 国際裁判 / 事実認定 / 証拠 / 証明責任 / 推定 / 紛争解決 / 国際司法裁判所 / 手続 |
Research Abstract |
2009年度は前年度に引き続いて精力的に研究成果を公刊した。まず、前年度より執筆中であった、国際裁判における事実認定と証拠という本研究分野において現段階においてもっとも体系的なモノグラフである、Gerald NIYUNGEKO, La preuve devant les juridictions internationales, Bruylant, 2005, 480pp.についての書評を執筆し、これを国家学会雑誌122巻5・6号(2009年)に掲載した。本書は本分野におけるフランス語圏の代表的著作であり、本書の原型たる博士論文(1988年ブリュッセル自由大学提出)は、国際裁判実践においてもしばしば参照されてきている重要なモノグラフである。 また、主たる研究成果としては前年度に引き続いて理論的分析を推し進め、「国際裁判における推定の法構造-事実認定の性格理解の観点から-」を『国際法外交雑誌』108巻3号(2009年)に掲載した。本論文は、直接的には昨年公刊した「国際裁判における事実認定の法構造-証明責任論を素材として-」『国家学会雑誌」121巻7・8号(2008年)の延長線上にあり、証明責任論との関係を補助線として、国際裁判における推定概念の内容把握を試みたものであるが、しかし、それに留まらず、国際裁判における事実認定とはそもそもどのような性格を帯びた局面なのであるか、という問題意識から、国際裁判における事実認定の性格理解につき一つの試論を展開したものである。
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Research Products
(2 results)