2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞性粘菌を用いた新規動物型細胞質分裂関連因子の同定と機能解析
Project/Area Number |
08J08097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島田 奈央 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 細胞質分裂 / 細胞性粘菌 / 細胞骨格 / 核 / 分子生物学 |
Research Abstract |
本年度はTwo-hybrid systemによる既知の細胞質分裂関連因子と相互作用する因子の同定と、新規細胞質分裂関連遺伝子であるSunB遺伝子破壊株の表現型の同定とその細胞内局在の解析を行った。 既知の細胞質分裂関連因子と相互作用する因子を同定するために、細胞性粘菌の栄養成長期mRNAよりcDNAを合成し、線状化したライブラリーVectorとともに酵母AH109株へ形質転換し相同組換えによってTwo-hybrid system用のライブラリー構築を行った。このライブラリーは約50〜1100bpの長さのcDNAをもち、1.68×10^5の独立クローンを含んでいた。次に、これを用いて既知因子であるGAPAと相互作用する因子の検索を行った。約1×10^6クローンのスクリーニングを行った結果、5つの陽性クローンを得た。その4クローンのアミノ酸配列はポリスレオニン配列をもち、DNA binding domainのみをもつbait plasmidでも相互作用を示すことから、アーチファクトであると考えられた。これと異なりYGFt1-009クローンは特異的な相互作用を示し再現性も確認されたため、新規相互作用因子である可能性が示唆された。細胞性粘菌の遺伝子は約12500であるため、このライブラリーのみのスクリーニングでは不十分と考えられた。そこで5.62×10^5の独立クローンをもつ、スケールアップライブラリーの構築も行った。 SunB遺伝子破壊株は、震盪培養下で野生株よりも50%程度の増殖率低下を示し、多核で野生株の約4倍の面積をもつ扁平な細胞という表現型を示す。抗α-tubulin抗体を用いた免疫組織化学染色を行った結果、微小管数が野生株と比べ多く、長いことが明らかになった。また1核に対するmicrotuble-organizing center(MTOC)数も多くみられた。さらにSunB遺伝子破壊株はnocodazole対し強い感受性を示した。抗SunB抗体を用いてSunBタンパク質の細胞内局在を解析した結果、細胞周期依存的に局在を示し、間期には核、微小管、細胞膜、細胞質分裂期はDNAと中心体の間に局在していた。これらのことは、SunBが微小管の伸張や編成の調節および、中心体の複製に関わっている可能性を示している。
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Research Products
(3 results)