2009 Fiscal Year Annual Research Report
細胞性粘菌を用いた新規動物型細胞質分裂関連因子の同定と機能解析
Project/Area Number |
08J08097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Research Fellow |
島田 奈央 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 細胞質分裂 / 細胞性粘菌 / 細胞骨格 / 核 / 分子生物学 |
Research Abstract |
本年度は、SunBの中心体分裂や細胞周期との関連性の検討と、新規細胞質分裂関連因子を同定するためSunBに対する免疫沈降を行った。 昨年度は中心体を可視化できていなかったためマーカーとしてGFP-γ Tubulinコンストラクトを作製した。抗SunB抗体染色により、中心体の分裂が起こる細胞分裂前中期にSunBは核周辺から消失し、分裂した2つの中心体とその間に局在をしめした。またSunB遺伝子破壊株では、1核あたりの中心体数の異常がみられた。このことからSunBは中心体の複製に機能していることが示唆された。細胞周期との関連を示すために、細胞にBrdUを取り込ませ抗anti-BrdU抗体でDNA合成期の核の検出を行った結果、SunB遺伝子破壊株は野生株の約2倍のS期の核が検出された(以上学会発表1~4)。さらにpropidium iodideでDNAを染色し、フリーサイトメーターにて1細胞あたりのDNA量の定量を行った結果、SunB遺伝子破壊株は野生株のG2期の細胞よりも約2倍多いDNAを含有していた。使用したサンプルを蛍光顕微鏡下で観察したところ、野生株、遺伝子破壊株ともに95%程度の細胞が1核であった。このことからSunB遺伝子株ではDNA合成期の遅延や核型異常が起こっていると考えられた。 免疫沈降法では、栄養成長期および発生後18時間の粘菌細胞を溶解し抗SunB抗体をいて免疫沈降を行い、MALDI-TOF-MSにて質量分析を行った。その結果、細胞質ダイニン、キネシン、ミオシンなどのモータータンパク質、pre-mRNAスプライシング因子、リボソームタンパク質など核内で転写や翻訳に関わるものが計23同定され、これらを候補因子とした。現在これらの候補因子のタグコンストラクトを作製し、共沈実験による相互作用の確認を行っている。SunBの多細胞期の発生に関わる機能について論文にまとめ公表した(論文発表1)。
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Research Products
(5 results)