2010 Fiscal Year Annual Research Report
細胞性粘菌を用いた新規動物型細胞質分裂関連因子の同定と機能解析
Project/Area Number |
08J08097
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
島田 奈央 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 細胞質分裂 / 細胞性粘菌 / 細胞骨格 / 核分裂 / 分子生物学 / セントロメア |
Research Abstract |
前年度、FACS Caliburを使用し1核当たりに含まれるDNA量を測定した結果、sunB遺伝子破壊株では野生株の約2倍のDNA量を持っていることがわかった。本年度はpropidium iodideにて染色体を検出、顕微鏡下で染色体数を計測した結果、sunB遺伝子破壊株の核では、野生株の2倍である12本の染色体を持つ細胞が多く観察された。また、定量PCRにより各染色体に位置する代表的な遺伝子の1細胞あたりのコピー数を調べた結果もsunB遺伝子破壊株ではほぼ2倍を示した。以上の結果からsunB遺伝子破壊株は2セットの染色体を持つ倍数体である可能性が示された。前年度までにsunB遺伝子破壊株は中心体数に異常がみられたため、その形状の異常についてGFPタグγチューブリンを用いて調べた。その結果、sunB遺伝子破壊株では中心体の面積が野生株よりも約1.5倍大きく、細長い異常な形状であることが明らかになった。これらの結果からSunBは、核分裂と中心体の成長・形状維持に関与していると考えられる。一方、細胞分裂中期のSunBの局在から、染色体の分配に機能するキネトコア複合体との関係性が考えられた。セントロメアのマーカーとしてGFPタグをしたヒストンH3バリアントの局在をsunB遺伝子破壊株で調べた結果、間期の核においても核内に散在するという異所局在が確認された。セントロメアDNA配列の染色体上の転座はみられなかったことから、SunBはタンパク質レベルでの正常なセントロメア構造維持に関わり、この異常が上記の染色体数の異常を引き起こしていると考えられた。
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Research Products
(5 results)