2008 Fiscal Year Annual Research Report
高真空環境下プラズマ源の開発とプラズマ接用型集束荷電粒子ビーム誘起蒸着法への応用
Project/Area Number |
08J08114
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮副 裕之 The University of Tokyo, 大学院・新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | マイクロプラズマ / 集束電子ビーム / 集束電子ビーム誘起プロセス / 集束電子ビーム誘起堆積法 |
Research Abstract |
本年度は水素-アルゴンマイクロプラズマを用いて還元性、かつ反応性の高い雰囲気を作り出すことにより、多くの金属に対して適用が可能なプロセス場を作製し、従来法よりも高い金属含有率の獲得を目標として研究を進めてきた。具体的にはリソグラフィシステムを具備した走査型電子顕微鏡(SEM)内で、銅の有機金属(copper(II)-hexafluoroaceylacetonate)を用いて従来法により作製した堆積物に対して水素-アルゴンマイクロプラズマを照射した(1)Post plasma treatment、集束電子ビーム誘起蒸着プロセス中に電子ビームと水素-アルゴンマイクロプラズマを照射した(2)Microplasma-assisted depositionの二つのプロセスをおこなった。その結果、Post plasma treatmentにおいては、60分間のプラズマ照射により堆積物中の銅の含有率は11at.%から27at.%に増加し、炭素などの不純物の含有率は減少した。このとき、堆積物に到達するイオンのエネルギーは、銅に対する物理的なスパッタリングの閾値エネルギーよりも十分に低いと推定され、処理による堆積物中の絶対量は測定装置の誤差を考慮しても10%以下であると推測されることから今回用いた高さが150nm程度の堆積物に対して得られる銅の含有率は最高で約40at.%と見積もられた。一方、Microplasma-assisted depositionにおいては、同程度のサイズ(〜1.5μm)の堆積物の作製が確認されたことから、プラズマ発生システムからの電磁場を効果的に遮蔽することによりプラズマ環境下における電子ビームのナノメートルオーダーでの位置制御性、集束性が確認された。さらに組成の測定をおこなった結果、銅の含有率は41at.%に増加し従来法と比較すると3.6倍以上となり還元性雰囲気における本プロセスの優位性が確認された。
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Research Products
(8 results)