2008 Fiscal Year Annual Research Report
理論予想と分光・測光観測に基づいたトランジットを起こす太陽系外惑星系の研究
Project/Area Number |
08J08141
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Research Institution | National Astronomical Observatory of Japan |
Principal Investigator |
成田 憲保 National Astronomical Observatory of Japan, 光赤外研究部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 太陽系外惑星 / トランジット / 分光観測 / 測光観測 / すばる望遠鏡 / 惑星形成 / 惑星大気 / ロシター効果 |
Research Abstract |
申請者の研究は、太陽系外に発見されている多様な惑星たちがどのように形成され、どのような環境にあるのかを、観測を通して明らかにしようとするものである。そこで、申請者は惑星による「食」(トランシット)が確認されているトランシット惑星系の分光・測光観測を立案し、PI(Principal Investigator)としてすばる望遠鏡へ観測提案を行っている。 本年度、申請者は3晩のすばる望遠鏡の観測時間を獲得し、3つのトランシット惑星系の観測を行った。本観測の目的は、惑星の公転軌道軸が主星の自転軸に対してどれくらい傾いているかを測定することにより、その惑星がどのようにして形成されたのかを探ろうとするものである。これらの観測と2007年度に申請者がPIとして実施した観測をもとにして、申請者は観測されたほとんどの太陽系外惑星の公転軸が主星の自転軸とそろっていることを明らかにした。この結果は多くの太陽系外惑星が惑星と原始惑星系円盤の相互作用を考えた惑星移動モデルによって形成されたという考えを支持している。一方、近年の理論モデルによると公転軌道が大きく傾いている惑星が存在することも予言されており、申請者はその可能性を持ついくつかの惑星系の観測にも取り組んでいる。本年度はその中の惑星系HD17156bについてずれが存在しないことを申請者がPIの観測からつきとめ、一方別の惑星XO-3bについては大きく傾いている可能性が高いことを申請者が共同研究者となっているKeck望遠鏡での観測から発見した。XO-3bの結果については、申請者は今後さらに統計精度を高めるための観測の実施をすばる望遠鏡に提案している。以上の結果に対して、本年度は3本(うち筆頭著者1本)の論文が出版された。また、残されているデータについても申請者が中心となって解析と論文の準備を行っている。
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Research Products
(10 results)