2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J08179
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
赤羽目 匡由 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 特別研究員(PD)
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Keywords | 渤海 / 越喜靺鞨 / 高句麗遺民 / 唐 / 賈耽『古今郡国県道四夷述』 / 『三国遺事』 / 靺鞨 / 新羅・高麗北方彊域関係記事 |
Research Abstract |
本科学研究費による研究目的は、渤海領内諸種族の存在・活動様態の解明のために、これら諸族か渤海の支配を受ける以前の状況と、渤海により遷徒された諸族が周辺諸国に与えた影響とを明らかにすることである。 当該年度は、具体的には、1隋唐代(7~10世紀)の越喜靺鞨の住地、2高句麗遺民と唐の遼東地域支配、3『三国遺事』靺鞨・北方彊域関係記事の検討、4賈耽『古今郡国県道四夷述』逸文収集の4つの題目についてそれぞれ、1については(1)研究報告および学術誌への発表を、2については(1)関係研究文献の分析、(2)関係史料の分析、(3)研究報告、(4)歴史地図(電子データ)作成を、3については(1)関係史料の分析、(2)『三国遺事』テキスト調査への参加、4については逸文収集作業を予定した。 1については研究報告を行いその内容を学術誌に掲載し研究をひとまず完了した。2については(1)(2)はほぼその作業を終えたが、(3)研究報告と(4)地図作製までには至らなかった。今後継続して作業を続ける予定である。3については(1)は分析作業を継続中で、(2)は昨年に引き続き『三国遺事』版本調査を韓国のソウル大学校奎章閣韓国学研究院、高麗大学校中央図書館、梵魚寺聖宝博物館にて行った。4については今後も継続予定の課題であるが、当年度は宋代の類書『太平御覧』及び『古今郡国県道四夷述』逸文を多く含む宋代の地理書『太平寰宇記』に対して悉皆調査を進めた。 また当該年度予定外の成果として、第一に高句麗と渤海とを貫く文化の特質および日本・渤海間の交渉経路という2つの題目について招請を受けて韓国で研究報告(韓国語)を行い、前者の内容は学術雑誌に論文として掲載された。第二に東北亜歴史財団の編でいくつかの章節の執筆を担当した、韓国と日本の渤海史研究者の協同により日本と渤海との交流の実相に多面的に迫る書籍が刊行された。
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Research Products
(7 results)