2008 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナの明暗応答タンパク質の分子細胞生物学的研究
Project/Area Number |
08J08245
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
大内 雄矢 Nagoya University, 大学院・生命農学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | シロイヌナズナ / カルシウム結合タンパク質 / 明暗応答 / 避陰応答 / ストレス応答 / 光合成 / 老化 / サイトカイニン |
Research Abstract |
本研究は、当研究室で発見された新規のCa2+結合タンパク質、CCaP1,CCaP2,CCaP3の生理機能の解明を目的に研究を行った。これまでに、CCaP1とCCaP2は暗条件で転写レベルが増加し、さらに暗条件を続けると24時間後には日中レベルの10倍程度まで増加することを明らかにした。暗条件で転写レベルが増加することに加えて、長期(60時間)の暗条件の後、光を照射すると数時間以内に転写レベルが日中レベルまで急速に低下することを発見した。暗条件の後、CCaP1のmRNA量は、光を照射してからおよそ1時間30分後に半減し、2時間30分程度で元のレベルまで減少し、CCaP2のmRNA量はおよそ3時間後に半減し、4時間程度で元のレベルまで減少することが明らかにした。また、転写レベルは約24時間後に最大に達し、その後CCaP1の転写レベルは4日後に半減し、8日後には最高時の4分の1まで減少すること、CCaP2のmRNA量は6日目まで緩やかに減少し、6日目から8日目にかけて急激に減少し、8日後には元のレベルまで減少することを明らかにした。さらに詳細な解析の結果、CCaP1は光合成機能の低下に、CCaP2は老化に関連してその転写レベルを増加させることが示唆された。また、CCaP2は根で発現しており、CCaP2は地上部からの情報によって、その転写が制御されていることが示唆された。 以上の研究に加えて、CCaP類縁遺伝子の遺伝子破壊株を用いたマイクロアレイ解析により、ストレス条件下において、その遺伝子の有無によって発現を変動させる遺伝子を見出した。それらの遺伝子の機能を調べたところ、2つの重要なシグナル伝達経路で重要な役割を担っていることが明らかになった。このCCaP類縁遺伝子が、あるストレスに応じて2つ以上のシグナル伝達経路を制御していることが考えられる。
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