2008 Fiscal Year Annual Research Report
近現代における家族動態の日韓比較-農村都市関係の展開と基礎構造の再編に着目して
Project/Area Number |
08J08267
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
奥井 亜紗子 Ritsumeikan University, 国際関係研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 家族社会学 / 農村都市関係 / 地域 / 人口移動 / 国際情報交換 / 韓国 / 近現代 |
Research Abstract |
本年度に行った研究は1.これまで行ってきた日本における研究成果の取りまとめ、2.日本における調査研究の深化・発展への模索、3.韓国研究への展開に向けての予備調査、の3点に集約される。 まず1.については、筆者がこれまで蓄積してきた近現代日本の家族変動に関する調査研究知見を取りまとめ、日本家族社会学会での口頭発表および学術雑誌『社会学雑誌』第26号への寄稿を行った。 2.については、兵庫県篠山市をフィールドとして従来行ってきた地域進学校出身者の都市移動と定着、家族に関する調査に加えて、その一方で戦後の地域社会と農業を支えてきた農業高校出身者へのインタビュー調査を実施中であり、戦後日本の家族変動を移動者と非移動者の双方から重層的に捉えることを目指している。 3.については、日本以上に強烈な「圧縮された近代」を経験した韓国における人口移動とそれにともなう家族変動を、歴史的観点とともに現代的なトピックも含めて広汎な視野から把握することを試みた。具体的には8月は忠清南道青陽郡にて予備調査を行い、1970年代以降の急激な若年層の流出についてマウル・リーダーへ聞き取り調査を行うと同時に、こうした人口流出の結果として地域社会における人口再生産が困難化するなかで、国際結婚による中国、ベトナムからの移住女性の増加という新かな現象に直面している地域社会の現状が浮かび上がった。さらに1〜3月にかけては、ソウルを拠点に延世大学、国立国会図書館で近現代の韓国の人口移動に関する資料を集中的に収集をしつつ、忠清南道青陽郡、および江原道東海市において予備的な調査を行った。
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Research Products
(2 results)