2009 Fiscal Year Annual Research Report
多変数保型形式に付随する保型L-函数の数論的性質の研究
Project/Area Number |
08J08284
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
長谷川 泰子 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Whittaker関数 / K-type / 確定特異点型 / シフト作用素 / Casimir方程式 / Dirac-Schmid作用素 / 一般主系列表現 / 主零列表現 |
Research Abstract |
主定理の一つである一般主系列表現に属する第二種のWhittaker関数で任意の1次K-typeに属するものの明示公式を得た.これは石井によって得られている極小K-typeにおける明示公式を用い,それにシフト作用素を施すことによって得られる.一般主系列表現のWhittaker関数は原点において確定特異点型である.よって,原点点においてWhittaker関数はべき級数展開できる.この時,べき級数の係数は一般超幾何関数を用いて明示できる. 次に,二つ目の主結果は一般主系列表現のK-type(1+k,1)を持つベクトル値のWhittaker関数が満たす3種類の微分方程式系を明示的に求めたことである.微分方程式の一つはCasimir方程式で,残りの二つはDirac-Schmid作用素から得られる.得られた偏微分方程式系はWeyl群の位数と同じ8次の解空間を持つholonomic系であると予想している. この予想を第三節の特別な場合,すなわちk=2,l=-1の場合に正当化する. 最後に,k=2,l=-1における偏微分方程式の解の例を与えた.一般主系列表現は離散系列表現から誘導されている.まず表現の埋め込みを考える.主系列表現の1次元K-typeに属するWhittaker関数(石井の結果)を一般主系列表現の中へ移して,一般主系列表現の中に生じる周辺的K-typeを持つWhittaker関数を得た.今の場合はK-type(1,-1)に属するもので,8次元分一次独立なものが得られた. 以上より,8つの非緩増加Whittaker関数の明示公式を得られた.
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Research Products
(2 results)