2008 Fiscal Year Annual Research Report
半単純LIe群のWhittaker関数及び、その整数論的な応用
Project/Area Number |
08J08286
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮崎 直 The University of Tokyo, 大学院・数理科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | Whittaker関数 / 保型形式 |
Research Abstract |
この研究の対象であるWhittaker関数は保型形式をFourier展開した際の係数として現れる関数であり,保型L関数等の数論的応用を考える上で重要である.実一般線型群GL(3,R)については,全ての既約許容表現に対してWhittaker関数の明示的な公式が知られている.今年度は,それらの明示公式の保型形式への応用について、2つの研究を行った。 まず一つ目はGL(3,R)上のGL(3,Z)に関するEisenstein級数のFourier展開の計算である.Eisenstein級数は(ある意味で)最も基本的な保型形式であり,そのFourier展開は様々な数学者によって計算されている.特にGL(3,R)の場合については,3種類のEisenstein級数が存在するが,尖点形式から誘導された極大放物型以外のものについてはBump氏とFriedberg氏によってFourier展開が計算されている.今回は残る尖点形式から誘導された極大放物型Eisenstein級数のFourier展開を計算して.また,その応用として,Eisenstein級数の解析接続と関数等式の初等的な別証明を得る事ができた. 2つ目はまだ研究中の内容であるが,GL(3)上の無限素点での局所ゼータ積分の評価に関する研究である。ゼータ積分はWhittaker関数のある種の積分変換であり,保型L関数の積分表示とみる事ができるものである.このゼータ積分の局所的な評価は,振舞いの良い素点においては具体的に与えられているが,無限素点等の振舞いの悪い素点においてはよく分かってない点も多い.まだ不十分な点も多いが,今回は特定のGL(3,R)の表現に対して局所ゼータ積分の評価を与える事ができた.
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Research Products
(3 results)