2008 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニック結晶レーザより生成される新奇なドーナッツビームに関する研究
Project/Area Number |
08J08287
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北村 恭子 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フォトニック結晶レーザ / 径偏光ドーナッツビーム / 回折限界 |
Research Abstract |
回折限界を超える微小な光場の実現は、光メモリや光学顕微鏡、半導体露光装置などの発展に、大きな役割を果たすものと期待されている。近年、このような光場を実現する可能性を秘めているものとして、径偏光ドーナッツビームが注目を集めている。申請者はフォトニック結晶レーザの生成する径偏光ドーナッツビームを用いて、集光点の特性の実験的な評価を行い、理論的にもその特性を明らかにすることを目指している。平成20年度には研究実施計画における[1]集光点近傍での光強度分布を測定し、集光点の大きさを定量的かつ詳細に評価することを実施した。まず、偏光の特徴を反映した集光点の光強度分布を測定するための系を構築した。系は光源としてフォトニック結晶レーザ、対物レンズ(NA=0.9)、高分解能ステージに保持されたディテクタから形成されている。 ディテクタには、集光点での偏光を考慮してナイフエッジとフォトダイオードが一体化したものを作製した。この系を用いて測定した結果、径偏光ビームの偏光を反映した集光点の光強度分布の測定に成功した。さらに、回折限界を超える微小な光場を形成するために、フォトニック結晶レーザから出射するドーナッツビームの内径方向の強度を遮光マスクを用いて変化させることによって、同波長のガウシアンビームよりも小さな集光点が形成されることを実証した。この成果は、今後フォトニック結晶レーザのビーム形状を制御できるという特長を生かして、ドーナッツビームの内径を制御した径偏光ビームを実現することによって、安価で軽量な半導体レーザで従来の回折限界を超えることにつながり、先述のような光技術に大きな波及効果をもたらすと考えられる。
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Research Products
(7 results)