2009 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニック結晶レーザより生成される新奇なドーナッツビームに関する研究
Project/Area Number |
08J08287
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北村 恭子 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
|
Keywords | フォトニック結晶レーザ / 径偏光ドーナッツビーム / 回折限界 |
Research Abstract |
回折限界を超える微小な光場の実現は、光メモリや光学顕微鏡、半導体露光装置などの発展に、大きな役割を果たすものと期待されている。近年、このような光場を実現する可能性を秘めているものとして、径偏光ドーナッツビームが注目を集めている。申請者はフォトニック結晶レーザの生成する径偏光ドーナッツビームを用いて、集光点の特性の実験的な評価を行い、理論的にもその特性を明らかにすることを目指している。平成21年度には研究実施計画における[2]実験によって得られる知見や、電界のベクトル性を考慮した理論を応用し、最も小さな集光点を形成する究極的なレーザビームの可能性を、ビーム形状と電界の偏光を制御したデバイスの作製および理論解析によって系統的に理解することに着手した。まず、前年度に得られた、ビーム形状をドーナツ状から幅の狭いリング状にすることによって、小さいだけでなく焦点深度の深い集光点を得られるという結果を基に、幅の狭いリング状の径偏光ビームを出射することが可能な、新規フォトニック結晶レーザの提案を行い、作製、所望の発振を実証することに成功した。また、このビームの集光点は、z偏光と呼ばれる、通常のガウシアンビームでは得ることの難しい偏光を有する。この偏光の特長を理解するべく、3次元FDTD法による集光点の解析プログラムを構築し、金属片との相互作用などを検討した。これらの成果は、安価で軽量な半導体レーザで従来の回折限界を超えることにつながり、先述のような光技術に大きな波及効果をもたらすと考えられる。,
|
Research Products
(14 results)