2010 Fiscal Year Annual Research Report
フォトニック結晶レーザより生成される新奇なドーナッツビームに関する研究
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08J08287
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
北村 恭子 京都大学, 工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | フォトニック結晶レーザ / 径偏光ドーナッツビーム / 回折限界 |
Research Abstract |
回折限界を超える微小な光場の実現は、光メモリや光学顕微鏡、半導体露光装置などの発展に、大きな役割を果たすものと期待されている。近年、このような光場を実現する可能性を秘めているものとして、径偏光ドーナッツビームが注目を集めている。申請者はフォトニック結晶レーザの生成する径偏光ドーナッツビームを用いて、集光点の特性の実験的な評価を行い、理論的にもその特性を明らかにすることを目指している。平成22年度には研究実施計画における[3]光メモリや共焦点レーザ顕微鏡などのデバイス展開を視野に入れ、集光点での新奇な光軸方向の電界成分と物質(プラスチックを含めた誘電体や、蛍光染色体、金属表面に局在する表面プラズモンとの結合など)との相互作用について、電磁界シミュレーションと実験により検討することに着手した。まず、前年度に開発した、幅の狭いリング状の径偏光ビームを出射することが可能な、新規フォトニック結晶レーザを用いて、その集光特性の評価を行った。集光特性評価のための、新たな光学系を構築し、このビームによる焦点深度の伸長を明らかにした。また、このビームの焦点近傍では、電界強度分布とエネルギー流れが一致しないという、通常のビームでは考え難い新奇な性質を有する。このビームの特長を理解するため、3次元FDTD法による電磁界シミュレーションを用いて、焦点に設置した半波長大の金属立方体との相互作用を検討した。これらの成果は、安価で軽量な半導体レーザで従来の回折限界を超えることにつながり、先述のような光技術に大きな波及効果をもたらすと考えられる。
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Research Products
(7 results)