2009 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物半導体微細構造制御による蛍光体フリー高効率多波長発光ダイオードの開発
Project/Area Number |
08J08293
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上田 雅也 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(PD)
|
Keywords | 窒化物半導体 / 多波長発光ダイオード / InGaN / 量子ドット |
Research Abstract |
研究目的 『窒化物半導体微細構造制御による蛍光体フリー高効率多波長発光ダイオードの開発』 {11-22}GaN基板とInGaN量子ドット活性層を組み合わせて用いることで蛍光体無しで高効率かつ高演色性LED(テイラーメイドLED)を作製できると考えた. 研究進捗状況 前年度までに行った(0001)面上InGaN量子ドットの作製に引き続き,(-1-12-2)GaN基板上へのInGaN量子ドットの結晶成長も行った.成長方法は有機金属気相成長法を用い,基板上へ直接975℃付近でGaN薄膜をホモエピタキシャル成長し,原子レベルでフラットな表面を得た.その後,InGaN量子ドット層の成長のため,成長温度を約700-840℃として,数ML(1MLは0.136A)だけ原料を供給した.成長様式を調べた結果,GaN上にまずInGaNが一面に成長したのち,数ML程度の揺らぎが存在していることがわかり,ML揺らぎによりQDが自己形成していると考えられる. また,量子ドットとして機能しているかを調べるため(-1-12-2)InGaNQDの時間分解PL測定を行った.得られた減衰寿命(典型値102ps)は極性面(InGaN/GaNQDにおいて数ns)および無極性面QD(AIN/GaNQDにおいて約300ps)の報告よりも短く,半極性InGaN/GaNQDにおいては全方位的に内部電界が低減されていることを示唆している.In組成の不均一があるInGaNのTRPL減衰寿命の発光エネルギー依存性は低エネルギー側程寿命が長くなる傾向にある一方,(-1-12-2)InGaN/GaNQDでは低温でのTRPL寿命の発光エネルギー依存性はほぼなく,むしろ高エネルギーほど寿命が長くなっている.これは,ポテンシャル揺らぎではなく一つ一つのドットとして機能している可能性を示唆するデータである.
|
Research Products
(7 results)