2008 Fiscal Year Annual Research Report
窒化物半導体微細構造制御による蛍光体フリー高効率多波長発光ダイオードの開発
Project/Area Number |
08J08293
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
上田 雅也 Kyoto University, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 窒化物半導体 / 多波長発光ダイオード / InGaN / 量子ドット |
Research Abstract |
研究目的 『窒化物半導体微細構造制御による蛍光体フリー高効率多波長発光ダイオードの開発』 {11-22}GaN基板とInGaN量子ドット活性層を組み合わせて用いることで蛍光体無しで高効率かつ高演色性LED(テイラーメイドLED)を作製できると考えた. 研究進捗状況 研究に先立ち,従来用いられている(0001)面GaN上へのInGaN量子ドットの作製と評価を行った.成長方法は有機金属気相成長法を用い,サファイア基板上へ低温バッファ層を用いて約3μmのGaNを作製し,その上にS-K量子ドットの作製を試みた.V族原料/III族原料比を5500と設定して650-690℃付近で2,4分子層(ML)だけInGaNを供給した. 作製されたドットの直径は約20-30nm,高さは0.5nm程度,密度は3.1×10^<10>/cm^2,InGaN4ML(6s成長)では,直径20-50nm,高さが0.5-4.0nm程度,密度は5.9×10^<10>/cm^2の分布を持つ量子ドットが形成された.成長時間の増加とともにドットの直径,高さ,密度を変化できることがわかった. 650℃成長のInGaN QDの低温フォトルミネッセンス測定を行った結果InGaN4MLでは2.3eV付近に,2MLでは2.6eV付近に非常にブロードなピークが確認できた.成長時間が短い方が高エネルギー側にピークがあり,量子ドットのサイズの違いによる量子サイズ効果の影響に由来すると考えられる.また,4ML成長のサンプルにおいて低温(10K)に対する室温(300K)のPLスペクトルの積分強度比を計算すると19%となった.同じ成長炉で作製した同程度の発光波長のInGaN QWサンプルでは1%以下であり,QDにしたことでキャリヤの3次元的な閉じ込めがQWよりも顕著になり非幅射中心へのキャリヤの拡散が抑制されているものと考えられる.また,同程度の発光波長を呈する3nm膜厚InGaN/GaN量子井戸からのPLスペクトルと比べると,InGaN QDの方が半値幅が3倍程度広く,多波長発光への応用に非常に有利であることがわかった.また,{11-22}GaNバルク基板上へのInGaN QD成長も行っており,光学的測定により,発光を観測している.
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Research Products
(8 results)