2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J08304
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松村 洋寿 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | バイオマス / 燃料電池 / 電気化学 / セルロース / 木材腐朽菌 / セルラーゼ / セロビオース脱水素酵素 / ラッカーゼ |
Research Abstract |
本研究では、木材腐朽菌由来のセルラーゼ及びセロビオース脱水素酵素(CDH)を電極触媒として利用し、セルロースを原料とするバイオ燃料電池の開発を行うことを目的とした。近年、木質バイオマス資源の利活用が望まれている。一方、生体物質を利用するバイオ燃料電池は、効率良いエネルギー変換素子として知られている。しかし、既存のバイオ燃料電池は、デンプン由来のグルコースなどの単糖及びそれらから生成したエタノールを原料としているため、食糧生産とエネルギー生産の競合問題がある。そこで、木材から生物的なエネルギーを得て成長する木材腐朽菌由来の酵素を利用して、木材(セルロース)から電気エネルギーを取り出すことで、セルロースを原料とするバイオ燃料電池の構築を目指す。 昨年度、メタノール資化性酵母を用いてCDHを大量に生産し、バイオアノード触媒としてCDHを利用できることを報告している。本年度は、マルチ銅オキシダーゼの一種であるラッカーゼを用いたバイオカソードを作製し、その反応を検討した。その結果、ラッカーゼ電極による酸素の電気化学的還元反応が観測された。次に、CDH電極とラッカーゼ電極を用いて、バイオ燃料電池の構築を行った。燃料にはセロビオースと酸素を用いた。セロビオースは、セルラーゼによるセルロースの加水分解生成物である。そのため、セロビオースを燃料とするバイオ燃料電池を構築できれば、セルラーゼ反応と組み合わせることで、セルロースから電気エネルギーの直接生産が可能であると考えられる。セロビオースを用いた電池評価の結果、CDH/ラッカーゼバイオ燃料電池による良好な発電が観測された。 以上、今年度はラッカーゼ電極を用いた酸素の還元反応に成功した。また、CDH及びラッカーゼを電極触媒とするバイオ燃料電池の構築に成功した。セロビオースを燃料として用いて、発電が可能できることを示した。
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Research Products
(1 results)