2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J08304
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
松村 洋寿 The University of Tokyo, 大学院・農学生命科学研究科, 特別研究員(PD)
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Keywords | 燃料電池 / バイオマス / 電気化学 / セルロース / 木材腐朽菌 / セロビオース |
Research Abstract |
本研究では、木材腐朽菌由来のセルラーゼ及びセロビオース脱水素酵素(CDH)を電極触媒として利用し,セルロースを原料とするバイオ燃料電池の開発を行うことを目的とした。セルロースは、天然で最も豊富に存在する多糖である。一方、生体物質を利用するバイオ燃料電池は効率良いエネルギー変換素子として知られている。しかし、既存のバイオ燃料電池は、デンプン由来のグルコースなどの単糖及びそれらから生成するエタノールを原料としているため、食糧生産とエネルギー生産の競合問題がある。そこで、木材から生物的なエネルギーを得て成長している木材腐朽菌由来の酵素を利用して、木材(セルロース)から電気エネルギーを取り出すことで、セルロースを原料とするバイオ燃料電池の構築を目指す。本年度では、まず電気化学測定に用いるCDHの大量生産を行った。ヌタノール資化性酵母を用いた発現システムを使用することで、CDHを大量に生産することに成功した。次に、CDHを用いて酵素電極を作製し、その反応性を検討した。その結果、CDHと電極の良好な反応が観測された。さらに、基質としてセロビオースを用いたCDH電極の触媒反応を検討した。セロビオースは、セルラーゼによるセルロースの加水分解生成物であり、CDH電極を用いてセロビオースの触媒反応が行えれば、セルロースを燃料とするバイオ燃料電池の構築が期待できる。セロビオースとの電極反応を試みたところ、CDH電極による触媒反応が観測された。以上、今年度はバイオ燃料電池の触媒としてCDHが利用できることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)