2009 Fiscal Year Annual Research Report
気相のダイナミクスを考慮した地盤の浸透破壊のメカニズム解明と対策
Project/Area Number |
08J08411
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
坂井 宏隆 Nagoya Institute of Technology, 工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 浸透破壊 / 気泡 / 過飽和水 / 降雨 / 越流 / SPH / 連成解析 / 不飽和 |
Research Abstract |
1.降雨と越流を考慮した堤体模型実験による現象の観察,および堤防の強化方法の提案 本年度は降雨を考慮可能な30分の1スケールの堤体模型実験を行った。実験装置を工夫して独自に作成することで,従来は見逃されていた豪雨の浸潤による堤体内での圧縮気泡の発生と堤体の決壊の様子を捉えることに成功した. また,その対策として水を通さず空気のみを通すシートを堤体に用いるというアイディアによって,集中豪雨時にも粘り強い堤防の強化方法を提案するに至った.ここでは,実堤防で従来から行われているアスファルトフェイシング(表面被覆)を模擬した水も空気も通さないシートと,提案するシートの効果を比較し,浸潤の様子などから提案するシートの方が降雨や越流に対する強度が高くなることを示した. 2.SPH法を用いた固体・液体・気体の三相系連成解析 数値解析では,昨年度まで開発・改良に取り組んできたSPH法による独創的な固体・液体・気体の三相系解析手法によって,従来までは不可能であった,圧縮空気塊による浸潤線の湾曲や遅延,破壊という複雑な三相流動を定量的に再現することに成功した.その際は新たに(実堤体ではとりわけ重要な)高圧力下でも安定した計算が行える方程式を導入するとともに,不飽和堤体で見られる毛管現象(サクション)の再現を可能とした.
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Research Products
(12 results)