2008 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜リン脂質二重層内外の脂質分布を制御する分子群の同定および機能解析
Project/Area Number |
08J08430
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
林 輝 Tottori University, 大学院・医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 細胞膜 / ホスファチジルセリン / フリップ・フロップ / リン脂質非対称分布 |
Research Abstract |
細胞膜リン脂質二重層の内層に局在するホスファチジルセリン(PS)の、細胞の活性化やアポトーシスなどによる細胞外への露呈(PSのフリップ・フロップ)のメカニズムを明らかにする目的で、当該年度はまずIL-2依存的に増殖するKHYG-1細胞を用いてPSのフリップ・フロップの検討を行った。KHYG-1細胞の培養液からIL-2を除去した際にはcaspaseの活性化と共にPSの露呈が確認されたが、その後のIL-2の添加後にはPSの露出が顕著に抑制されることがFACS解析で明らかになった。このことから、KHYG-1細胞においてIL-2を枯渇させた場合、PSのフリップ・フロップを媒介する分子群が活性化し、IL-2添加によりPSのフリップ・フロップ関連分子群の不活性化あるいはPSを細胞膜の内側に移送する分子群(アミノリン脂質局在化酵素関連分子群)が活性化したことが示唆された。また、本研究ではsiRNAを用いて遺伝子発現を網羅的に抑制し、PS露呈の阻害を指標としたスクリーニングを行うため、当該年度はenzymatic production of RNAi library (EPRIL)法で多様なsiRNAライブラリーの作成を行い、細胞への移入効率の高いsiRNA発現レトロウイルスベクターに組み込んだ。次年度はKHYG-1細胞にsiRNA発現レトロウイルスベクターを感染させ、±IL-2など様々な条件下でフリップ・フロップ関連分子の絞込みを行っていく予定である。
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