2008 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体型チオレドキシンと標的蛋白質の親和性解析による還元力ネットワークの解明
Project/Area Number |
08J08443
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
原 怜 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | チオレドキシン / 親和性 / 還元力 / 葉緑体 / SPR |
Research Abstract |
チオレドキシンは活性部位にシステインを2つ持つジスルフィド還元蛋白質である。還元型のチオレドキシンは酸化型の標的蛋白質を還元し、自身は酸化型になる。細胞内では還元型・酸化型の標的蛋白質が混在しているが、還元型チオレドキシンは酸化型の標的蛋白質のみと結合し還元する事が必要である。また、ジスルフィド還元反応の終了後には還元型となった標的蛋白質と酸化型チオレドキシンはすばやく解離することで、標的蛋白質はその機能を発揮できると考えられる。すなわち、チオレドキシンと標的蛋白質はその酸化還元状態に応じて親和性を変化させていると考えられる。そこで、この酸化還元に応じた親和性の変化を表面プラズモン共鳴法を用いて、直接観察することを目的とした。 まず、代表的な葉緑体型チオレドキシン4種の野生型および活性部位に変異を入れた変異型、さらに標的蛋白質についても3種をリコンビナント蛋白質として調製した。ついで、表面プラズモン共鳴法による相互作用測定の実験系の確立を行った。具体的には、センサーチップへの固定方法、固定時のバッファー等の条件、固定量などの最適化を行った。これらの成果に基づき、標的蛋白質の酸化還元に応じた相互作用の変化を検出できた。この結果から、活性部位のシステインをセリンに置換したジスルフィド還元能のないチオレドキシンが標的蛋白質の酸化還元見分ける事ができること、また、このチオレドキシン変異体と酸化型標的蛋白質の解離には標的蛋白質の還元が必須であることを新たに見出した。
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Research Products
(1 results)