2009 Fiscal Year Annual Research Report
葉緑体型チオレドキシンと標的蛋白質の親和性解析による還元力ネットワークの解明
Project/Area Number |
08J08443
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
原 怜 Tokyo Institute of Technology, 大学院・総合理工学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | チオレドキシン / 親和性 / 還元力 / SPR |
Research Abstract |
チオレドキシンは活性部位にシステインを2つ持つジスルフィド還元蛋白質である。還元型のチオレドキシンは酸化型の標的蛋白質を還元し、自身は酸化型になる。細胞内では還元型・酸化型の標的蛋白質が混在しているが、還元型チオレドキシンは酸化型の標的蛋白質のみと結合し還元する事が必要である。また、ジスルフィド還元反応の終了後には還元型となった標的蛋白質と酸化型チオレドキシンはすばやく解離することで、標的蛋白質はその機能を発揮できると考えられる。すなわち、チオレドキシンと標的蛋白質はその酸化還元状態に応じて親和性を変化させていると考えられる。また、チオレドキシンは多種の標的蛋白質と相互作用することが知られている。そこで、標的蛋白質の種類によって親和性が異なることが予想される。これらを評価するために表面プラズモン共鳴法を用いて、相互作用を直接観察することを目的とした。 前年度に引き続き、表面プラズモン共鳴法による相互作用測定の実験系の確立を行った。具体的には測定時のバッファー条件の検討などを行い、測定系を改善した。この結果から、活性部位のシステインをセリンに置換したジスルフィド還元能のないチオレドキシンが標的蛋白質の酸化還元見分ける事ができること、また、このチオレドキシン変異体と酸化型標的蛋白質の解離には標的蛋白質の還元が必須であることを見出した。さらに、標的蛋白質自身の機能に応じて、チオレドキシンとの相互作用速度が異なっていることが示唆された。
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