2008 Fiscal Year Annual Research Report
アコースティック・エミッション法の波形解析によるコンクリート破壊機構の解明
Project/Area Number |
08J08467
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大野 健太郎 Kumamoto University, 自然科学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | アコースティック・エミッション / コンクリート / SiGMA解解析 / 自動読み取り法 / 信号到達時間 / 初動振幅値 |
Research Abstract |
コンクリート構造物の非破壊検査手法であるアコースティック・エミッション(AE)法に基づいたSiGMA解析によれば、微小破壊源(AE源)の発生位置や形成モード、方向を知ることが可能である。AE源の発生機構を明らかにすることは、すなわち材料の破壊機構を明らかにすることに繋がり、SiGMA解析によって目視困灘なコンクリート内部の破壊進行状況を機構的かつ可視的に明らかにすることが可能である。しかし、現行のSiGMA解析では検出されたAE波形からAE波の到達時間および初動振幅値を手作業によって読み取る必要性があることから、莫大な時間と労力が必要とされていた。さらに、解析結果が解析者の主観に左右される可能性を含んでおり、迅速かつ信頼性のあるAE波初動部の自動読み取り法が必要とされていた。本研究では、SiGMA解析の汎用性拡大を目的とし、AE波初動部の自動読み取り法の開発を行った。従来法の手作業による波形読み取りでSiGMA解析を行った結果と自動読み取り法によるSiGMA解析結果を比較したところ、両者の解析結果はほぼ同様な傾向を示すことが確認された。また、両解析結果の信頼性をPost-Analysisにより評価したところ、両者の信頼性がほぼ等しいことが確認され、自動読み取り法がSiGMA解析に適用可能であることが明らかとなった。さらに、自動読み取り法によれば従来の手作業によるSiGMA解析に必要とされた時間の10分の1程度の時間でSiGMA解析を終了できることがわかり、大幅な時間短縮に繋がった。以上のことから、本年度の研究目的は達成されたものと考える。
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Research Products
(10 results)