2008 Fiscal Year Annual Research Report
行動系列パターンに関する心理学現象に対する随伴性による基礎付け
Project/Area Number |
08J08484
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
八賀 洋介 Keio University, 社会学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 行動変動性 / 系列依存性 / Gambler' Fallacy / 少数の法則 / 動物とヒトの比較 |
Research Abstract |
本年度は、行動系列パターンに関与する基礎研究として、行動変動性強化技法の特性を調べるべく、ラットを使用した2つの離散反応間隔を利用した頻度淘汰手続きについて実験を行った。複数の反応選択肢が用意されている場合に、過去の自発頻度からより低頻度に反応を自発してきた選択肢への反応を高く強化する手続きである。この手続きでは、反応を相対的に等頻度に自発させることは多くの実験で確認されているが、自発される反応系列については、系列依存パターンのある場合とない場合が報告されている。本実験では、2つの反応間間隔を反応クラスとした場合(例えば、反応間間隔1.0〜1.8秒をShortクラス、3.3〜33秒をLongクラスとして設けた場合)の変動性強化を検討し、反応間間隔クラスによる制御が同様に可能であること、反応分配は等確率へ近似することを示した。この手続きでは時間が介在するため以前の反応への依存性を発達させることは困難であると考えられるが、比較的短い反応間隔を利用した場合には、先行研究と同様の反応交替パターン(Short-Long-Short-Longと反応を交替させる)を生起する傾向を示した。このことは先行研究で広範に使用される手続きでは系列依存性に対する制御力に難があり、その他の技法の開発が必要であることを示唆する。 その他、本年度はヒトで見られるGambler's Fallacyの説明原理として提案されている少数の法則に関する実験研究の公刊を行なった。この研究は次年度にさらに継続していく予定である。また、本申請の土台に関連するテーマである動物とヒトの比較研究の技法に関して、Alan Silberberg教授と共同研究を含む2本の論文を公刊した。
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