2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08J08506
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
三村 憲弘 Waseda University, 政治学研究科, 特別研究員(DC2)
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Keywords | 政治意識 / 投票行動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、有権者が持つ党派性のメカニズムを、政党評価と党派アイデンティティとから成る二重構造という観点から再検討することである。平成21年度は、この作業を、平成20年度から進めてきた(1)世論調査で党派性を表明する行動、(2)国民意識における党派的対立軸の多次元性、という2つのトピックを対象として、さらに先へと進めることができた。さらに、本年度は、(3)世論調査実験と調査回答時間、という2つの新しい方法論を本研究に応用する作業を開始し、一定の成果が得られた。 (1)の成果は、平成20年度の日本選挙学会において報告した論考を、『早稲田政治公法研究』に「党派性を表明する意味」として公刊したことである。 (2) の成果は、平成20年度の日本政治学会における報告の続編を、平成21年度の日本選挙学会で「国民意識において党派的対立軸が変動するメカニズム」として報告したことである(現在、それぞれの論考の投稿準備を進めている)。政治意識・投票行動の領域では、これまで、有権者の党派性が安定しているのかそれとも不安定なのかという点について論争が繰り広げられてきた。しかし、そこでは、党派性が一次元で且つ一重構造であることが前提にされている。本報告では、党派性がどのような対立軸に寄って成り立っているのかという点(多次元性)とその対立軸において政党評価と党派アイデンティティとがどの程度結びつているのかという点(二重構造)とを考慮に入れて、その安定性を再検討した。 (3)の成果は、世論調査実験と調査回答時間というふたつの新しい方法論を用いたそれぞれの研究成果をCPSAとGLOPEIIワークショップで報告し、今後、この2つの新しい方法論を本研究テーマに適用していくための準備を整えることができた。
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Research Products
(4 results)