2009 Fiscal Year Annual Research Report
片末端ジエン類の高選択的環化異性化重合による新機能高分子の合成
Project/Area Number |
08J08515
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岡田 健史 Tokyo Institute of Technology, 資源化学研究所, 特別研究員(DC2)
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Keywords | ジイミン錯体 / シクロペンテン / 立体規則性重合 / C2対称錯体 / 液晶 / 液晶性ポリオレフィン |
Research Abstract |
ポリマーの繰り返し単位の構造は、そのポリマーの物性を支配する主要因であることから、これを制御することは重要である。本研究では、パラジウムジイミン錯体のチェーンウォーキング反応を利用し、4-アルキルシクロペンテンの新規重合反応により様々繰り返し単位を有するポリマーの合成とその物性評価を行った。まず、4-メチルシクロペンテンの重合をC_<2v>対称錯体を用いて行ったところ、1、3置換のtransのシクロペンタン環とメチレン基が交互に配列された構造を有するポリマーが得られた。さらに^<13>C{^1H}NMRスペクトルからポリマーのタクティシティーはほとんど制御されていなかった(アタクティック)。タクティシティーを制御するためにC_2対称錯体を用いて重合を行ったところ、rr>93%とタクティシティーの非常に制御されたポリマーが得られた。さらに光学活性な錯体を用いることで光学活性ポリマーへと展開することにも成功した。 次に4-エチルシクロペンテンや4-デシルシクロペンテンといった長いアルキル鎖を有するシクロペンテンの重合について検討を行った。この場合にもtransのシクロペンタン環がオリゴメチレン鎖で連結された構造を有するポリマーが得られたが、ポリマーのタクティシティーを^<13>C{^1H}NMRから見積もることは困難であった。一方で、C_2対称錯体を用いて得られたポリマーはC_<2v>対称錯体を用いて得られたポリマーよりも溶解性が低いといった違いが確認された。さらにDSCの測定から、C_2対称錯体を用いて得られたポリマーは液晶性を示すことが明らかとなった。すなわちタクティシティーを制御することでポリマーが液晶性を発現する。偏光顕微鏡から、液晶相の観察を行ったところスメクチック相を形成していることが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)