2008 Fiscal Year Annual Research Report
ポルトガルのEC(欧州共同体)加盟プロセス-アイデンティティの変容に注目して
Project/Area Number |
08J08519
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
西脇 靖洋 Sophia University, グローバル・スタディーズ研究科, 特別研究員DC2
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Keywords | 欧州政治 / 地域統合 / ポルトガル |
Research Abstract |
本研究は、ポルトガルの権威主義体制後期からEC(欧州共同体)加盟に至るまでの過程について同国の政治主体のアイデンティティの変容に注目しながら考察し、同国のEC加盟の要因を明らかにすることを目的としている。過去の研究において私は、権威主義政権主要閣僚と民主主義諸政党執行部についての考察を行っているため、本年度の研究では、それらとならび対象時期において重要な役割を果たした主体である軍部の有力者の行為や発言について、現地資料調査も交えつつ考察を行った。具体的には、まずポルトガルの軍部とECの関係について知ることのできる二次文献を読み込み、対象時期の軍部の行動や軍部とECの関係の概要についての理解を深めた。そしてそこから得た情報を手がかりに、8月に40日間程度リスボンに滞在し、国立図書館や国立公文書資料館所蔵で史料調査を実施し、軍部の主要人物のアイデンティティの変化、およびそれがポルトガル政治に与えた重要性を示す一次資料を収集した。帰国後、調査結果をもとに、京都大学地域研究統合情報センター等主催のシンポジウム(10月4日開催)およびその成果報告としての同センター編の論文集『Kyoto Discussion Paper』第7号において発表を行った。今後は、軍部を除く権威主義体制崩壊後のポルトガルの主要主体についての調査を行ったうえで(すでに部分的には過去に実施済み)、その調査内容を本年度のものを含む過去の研究と合わせ、一つの成果としてまとめる予定である。
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Research Products
(1 results)