2009 Fiscal Year Annual Research Report
ポルトガルのEC(欧州共同体)加盟プロセス―アイデンティティの変容に注目して
Project/Area Number |
08J08519
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
西脇 靖洋 Sophia University, 外国語学部, 特別研究員(PD)
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Keywords | 欧州政治 / 地域統合 / ポルトガル |
Research Abstract |
本研究では、南欧の一国ポルトガルにおける民主化とヨーロッパ統合の関係について、民主化過程において重要な役割を果たしたポルトガル国内の主要主体のアイデンティティの変化に注目しながら分析を行った。申請者はすでに過去の研究において、権威主義政権主要閣僚と民主主義諸政党執行部のアイデンティティについての考察を行っている。また平成20年度には、それらとならび対象時期のポルトガル政治において重要な役割を果たした主体である軍部の有力者の行為や発言について、現地資料調査も交えつつ考察した。そしてその内容を、京都大学地域研究統合情報センターが発行する一冊の論文集のなかにまとめた。 本年度は、これまでに行ったすべての分析結果を、博士論文としてまとめる作業を行った。そして平成21年10月、博士学位申請論文を所属大学に提出した。同論文の内容については、同年11月に開催された日本EU学会研究大会で発表した。さらに平成22年1月に実施され博士論文公開口述試験においても報告した。そして同試験に合格し、同年3月末、博士号(国際関係論)を正式に取得した。試験の際、いくつかの課題を指摘された。そのため同年2月末から一週間程度、リスボンに出張し、それらに関する調査を実施した。今後は、同調査内容を論文に反映させたうえで、一冊の書籍として刊行する予定である。同書は、ポルトガルとEC加盟プロセスに関する国内初の研究書となるであろう。
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