2008 Fiscal Year Annual Research Report
低質量星まわりのハビタブル・ゾーンにおける地球型惑星形成
Project/Area Number |
08J08528
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
荻原 正博 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 特別研究員(DC1)
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Keywords | 惑星形成 / 数値計算 / M型星 / 地球型惑星 |
Research Abstract |
本研究の目的は、低質量星(M型星)のまわりのハビタブル・ゾーンでの地球型惑星形成を調べることである。具体的には、M型星におけるハビタブル・ゾーン周辺において5000体程度の微惑星の軌道計算を行うことで、合体成長過程を調べる。微惑星全ての相互重力を計算する為に、計算コードを重力多体専用計算機(GRAPE-6)用に開発し、また円盤ガスの効果などを半解析的な公式を用いて計算コードに組み込む必要がある。 まずは、N体シミュレーション用の計算コード開発を行った。微惑星5000-10000体規模の状態から、最終的な惑星までの成長を必要な精度で追えるように、過去の研究を参考にしながら計算コードの基礎部分の開発を進めた。微惑星の軌道進化とその合体を追う基礎のコードが完成し、重力多体専用計算機(GRAPE-6)を使用することができるようになった後、N体シミュレーションを行った。初期に微惑星5000体をM型星におけるハビタブル・ゾーン周辺に分布させ、軌道進化と合体成長を追った。微惑星は暴走成長・寡占的成長を通して原始惑星となり、その後円盤ガスの重力的抵抗により素早く中心星方向に移動して、円盤内縁付近に数個の惑星が平均運動共鳴に入った状態で形成した。それらの惑星同士の軌道間隔は非常に狭く、円盤ガスの散逸とともに軌道不安定を引き起こし、衝突・合体するものと予想されたが、実際に円盤ガスを散逸させてその後の軌道進化を追っても十分長い時間安定だった。 これまでのN体シミュレーションで得られた結果を、国内学会で2回、国際学会で3回発表を行った。また、日本惑星科学会での発表において、本研究発表が「日本惑星科学会最優秀発表賞」として表彰されたことによって本研究の重要性を再認識でき、今後の研究の大きな励みとなった。
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Research Products
(5 results)